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2014年5月31日(土)に大阪市立クレオ大阪西で、「なくそう えん罪 救おう 無実の人々 関西市民集会 partⅦ」が開催されました。主催は、たんぽぽの会(関西えん罪事件連絡会)。当法律事務所のメンバーも参加しました。

なくそう えん罪 救おう 無実の人々

関西市民集会 partⅦ

-当法律事務所のメンバーも参加しました。-

 

 2014年5月31日(土)の午後1時30分から4時15分まで大阪市立クレオ大阪西で、「なくそう えん罪 救おう 無実の人々 関西市民集会 partⅦ」が開催されました。

 第Ⅰ部では、えん罪犠牲者と家族・支援者が各々の事件の内容を説明して支援を訴えました。

 たんぽぽの会(関西えん罪事件連絡会)の参加事件は、

 ● 奈良(三重)・名張毒ぶどう酒事件

 ● 滋賀・日野町事件

 ● 滋賀・JR山科京都間痴漢冤罪事件

  ● 京都・長生園不明金事件

  ● 京都・タイムスイッチ事件

 ● 兵庫・西宮郵便バイク事件

 ● 兵庫・神戸質店事件

 ● 大阪・東住吉冤罪事件

 ● 大阪・中津学園刑事弾圧事件

 事件関係者らは、①多くのえん罪犠牲者とその家族は離散させられている、②えん罪犠牲者は、経済的にも地獄に突き落とされている、③えん罪犠牲者は命をも奪われている、④今も新たなえん罪がつくられていることなどを示し、検察庁や法制審議会に対してえん罪犠牲者の救済とえん罪を生み出さない司法制度の構築を求めました。

 第Ⅱ部は、映画監督の周防正行氏と大阪大学法学部教授の水谷規男氏の対談。

 対談のテーマは、「司法制度審議会特別部会は今!」。

 相次ぐ冤罪事件を契機に、2011年、法務大臣の諮問を受けて、冤罪を生まないために取り調べの可視化(録音・録画)や検察官の手持ち証拠の開示のあり方等について検討する特別部会(新時代の刑事司法制度特別部会)が法務省の法制審議会に設置されました。周防監督は、その委員を務められています。

 対談では、特別部会において周防氏らが「えん罪防止のために、取り調べの録音・録画は、原則としてすべての事件がその対象となるべきだ」などの意見を出しても、警察・検察関係の委員らは裁判員裁判事件に限る(全事件の2%程)と主張するなど、考え方の隔たりが多いことなどが語られました。

 集会では最後に「たんぽぽアピール」が採択されました。

《 たんぽぽアピール 》

 2009年5月、裁判員制度実施とともに、関西冤罪事件連絡会=「たんぽぽの会」は発足しました。市民集会の開催は今年7回目を迎えます。

 冤罪は、決して遠い他人の悲劇ではありませんと、体験したことを各々語りながら、誤判や冤罪をなくそう、ともにたたかおうと訴え続けてきた私たち。

 その訴えは、関西各地から泣き寝入りをせずに頑張る仲間の輪を、一歩一歩確実に広げてきました。たたかうことで実現した、嬉しい仲間の無罪判決。再審開始決定。警察の暴力を認定する国賠事件の勝訴判決。何よりも「たんぽぽの会」の存在を知って、自らも無罪実現をめざし、たたかう決意をした仲間もひとり、またひとりと増えています。

 今年3月27日、48年余りのたたかいを経て実現した袴田事件の再審開始決定は(静岡地裁村山浩昭裁判長)ともに歩む私たちに大きな喜びと希望をもたらしました。

 ところが一転5月28日、名古屋高裁石山容示裁判長は、無実の死刑囚奥西勝さんに対し、十分に審理することなく棄却決定!驚きと怒りが全国を駆け巡りました。

 

 代用監獄で自白を迫る取り調べを、今も続ける警察、無実の証拠を隠してまでも起訴し、有罪を維持し続けてきた検察、そして何よりもそれらを見抜けなかった裁判所。 

 それぞれの体質は、今も脈々と生き続けていると言わざるを得ません。

  志布志事件、氷見事件、そして足利事件や村木事件などがマスコミをにぎわし、誤判や冤罪の防止のために、取り調べの全面可視化、証拠の全面開示は不可欠との声は大きな世論となりました。刑事司法制度の見直しが叫ばれ、その結果、「検察のあり方検討会」を経て「新時代の刑事司法制度特別部会」の審議が始まりました。

 私たちたんぽぽの会に参加する各事件関係者も冤罪の根絶をめざす刑事司法の実現をと大きな期待をもって注目し続けてきました。

 ところが、布川事件や東電OL事件の再審無罪、さらには誤認逮捕等々、さらなる問題点が明らかになったにもかかわらず、昨年の基本構想に続き、今年4月に明らかにされた事務当局試案は、当初の目的から大きく外れていると言わざるをえません。

 今日の集会で、冤罪事件の当事者や家族のみなさんの「私たちは無実です!冤罪の犠牲者です!」という切実な訴えは、集まった私たちに冤罪犠牲者を作らない刑事司法、冤罪の根絶をめざす刑事司法の実現を改めて迫るものでした。

 よって、今日の「関西市民集会パートⅦ」に参加した私たちは、参加者全員の総意をもって、特別部会のみなさんに訴えます。

 事務当局試案を撤回し、改めて当初の目的に沿った論議を行ってください!

 当初の目的は、真に誤判や冤罪を生まない刑事司法の構築であったはずです。

 みなさんの真摯な論議を私たちは、心から期待しています。 

2014年5月31日

    「なくそう冤罪!救おう無実の人々!関西市民集会パートⅦ」参加者一同

 

 この集会に、当法律事務所にメンバーも参加しました。 

 

2014-06-04 13:06:13 | RSS